海外家庭医療雑誌/ 表題翻訳プロジェクト副代表&投稿担当の
廣瀬英生(県北西部地域医療センター国保和良診療所)と申します 。
マルチポストにて失礼します。
廣瀬英生(県北西部地域医療センター国保和良診療所)と申します
マルチポストにて失礼します。
尚、本内容は、プライマリケアに関わる筆者の個人的な見解が含ま れており、
詳細に関しては原著に当たることを推奨いたします
詳細に関しては原著に当たることを推奨いたします
雑誌名:American Family Physician ; 5/1 号 (佐々木隆徳)
Articles
◎英語題名:Diagnosis and Management of Generalized Anxiety Disorder and Panic Disorder in Adults
◎翻訳題名:成人の全般性不安障害とパニック障害の診断と治療に ついて
◎一言コメント:全般性不安障害(GAD)とパニック障害(PD )は身体疾患と判断されて見逃しや誤診が多い.診断と治療を行う うえでスクリーニングおよびモニタリングツールが有用である. GAD-7とSeverity Measure for Panic Disorderは無料で利用できる診断ツールである.治療はS SRIなどの薬物治療と認知行動療法などの精神療法の両者を症例 に応じて活用する.ベンゾジアゼピン系は不安症状の抑制には効果 を認めるが,依存性や有害性リスクがあるため使用は限られる.薬 物療法を行う場合は症状再燃を防ぐために,少なくとも12ヶ月間 は漸減せずに継続すべきである.身体活動はGADおよびPDに費 用対効果の高い治療方法である.代替補完療法として植物性物質や サプリメントの一部で効果が示唆されているが, 充分にエビデンスが示されたものはなく,有害事象も報告されてい るため注意が必要である.
◎英語題名:Provision of Contraception:Key Recommendations from the CDC
◎翻訳題名:避妊対策:CDC推奨事項
◎一言コメント:若年女性や未経産婦に対して避妊対策について情 報提供することは重要である.その際は自施設で実施できない避妊 方法も含めるべきである.CDCでは5ステップでの避妊対策を推 奨している(1:患者とのラポール形成,2:患者の臨床情報や生 活歴を把握すること,3:最善で最適な避妊手段を患者が選択でき るよう支援すること,4:身体診察をすること,5: 避妊方法を決定し,導入,フォローアップを行う). 避妊希望の患者に対する配布資料には,各手法の使用方法, 有益性と有害性,フォローアップ計画について明記しておく必要が ある.問題になるような不正性器出血は殆どなく,避妊対策を継続 することで解決する.若年女性やレズビアン,ゲイ, バイセクシャル,トランスジェンダーの人たちに対しても偏見をも たずに丁寧にケアをすること.避妊を開始した際や避妊方法を変更 した際に必要となる避妊のバックアップ期間について, および避妊対策を忘れた際(内服忘れなど) の対応方法について図示されている.
◎英語題名:Nutrition Myths and Healthy DietaryAdvice in Clinical Practice
◎翻訳題名:臨床における栄養療法の神話と食事指導について
◎一言コメント:食事に関して幾つかの「神話」がある.例えば「 カルシウム摂取は骨を強くして骨折を予防する」「脂質を沢山摂取 すると太る」「食物繊維を豊富に取るのは体によい」「3500カ ロリーは体重0.45kgに相当する」などといったもの. しかし実際は異なっている.骨折予防に対するカルシウムサプリメ ントの効果は限定的で,NNT=1000(住民女性),NNT= 111(施設入所者)である.また腎結石のリスクを高め,心血管 イベントや大腿骨頚部骨折を高めるかもしれない.高脂質食を摂取 し続けると,低脂質食やカロリー制限食と比較して同等以上の体重 減少を示す.過剰加工食品( 甘味料や乳化剤などをわざわざ添加した食品.Googleで” Ultraprocessed food”を画像検索すると,どういう類のものを示すのか分かる )は飽和脂肪酸が多く含まれており,心血管イベントや全死亡率と 関連している.食物繊維を豊富に摂取すると, 心血管イベントや糖尿病,便秘,消化器癌, 乳がんの発症を抑制する.しかし機能性繊維(Functiona l fiber:化学合成した繊維や成分を加えたもの)の有用性は示 されていない.1週間で3500カロリー制限しても体重0.45 kg減量するわけではない.しかし1日100カロリー制限すれば ,他に何をしなくても1年後には50%の人が,3年後には95% の人が体重4.5kg減少する.
KEEPING UP TO DATE ( Practice Guidelines )
◎英語題名:AAP Releases Policy Statement on Screeningfor Nonviral Sexually Transmitted Infectionsin Adolescents and Young Adults
◎翻訳題名:若年者における非ウイルス性性感染症のスクリーニン グに関する指針:アメリカ小児科学会
◎一言コメント:25歳以下の若年女性は毎年クラミジア・トラコ マティスと淋菌のスクリーニングを推奨する.陽性の場合はいずれ も治療3ヶ月後に再検査をする.60日以内にクラミジア・トラコ マティスまたは淋菌感染症と診断された人は,性交渉相手も感染症 スクリーニングすべきである.男性と性交渉歴のある若年男性は, 毎年クラミジア・トラコマティスと淋菌のスクリーニングを推奨す る.
【参加メンバー】
飯島研史:群馬家庭医療学センター内堀善有:阪南市民病院 救急・総合診療科
北本晋一:亀田ファミリークリニック館山
佐々木隆徳:みちのく総合診療医学センター
佐々木隆史:京都家庭医療学センター 医療生協 こうせい駅前診療所
成島仁人:(特定医療法人暲純会)津ファミリークリニック
廣瀬英生:郡上市地域医療センター 国保和良診療所
本郷舞依:みちのく総合診療医学センター
松口崇央:飯塚病院 消化器内科
渡邉力也:福知山市民病院
加藤大祐:名古屋大学医学部附属病院総合診療科
黒木仁史:みちのく総合診療医学センター
寺澤佳洋:豊田地域医療センター
大浦誠:南砺市民病院 総合診療科
小林直子:南砺市民病院 総合診療科
吉本尚:筑波大学医学医療系 地域医療教育学/附属病院 総合診療科
武田 仁: 喜多方市 地域・家庭医療センター
玉井杏奈:台東区立台東病院総合診療科
吉田伸:飯塚穎田家庭医療プログラム
今藤誠俊:医療福祉生協連 家庭医療学レジデンシー・東京 根津診療所
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