海外家庭医療雑誌/ 表題翻訳プロジェクト副代表&投稿担当の内堀 善有(名張市立病院総合診療科)と申します。
マルチポストにて失礼します。
尚、本内容は、プライマリケアに関わる筆者の個人的な見解が 含まれており、詳細に関しては原著に当たることを推奨いたします。
AAFP 2015 December 15
●雑誌名:American family physician 2015年12月15日号
Articles
◎英語題名:Nonpharmacologic Management of Chronic Insomnia
◎翻訳題名:慢性の不眠症の薬物療法以外のマネジメント
◎リンクページ:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26760592
◎一言コメント:不眠症は、人口の10-30%に影響を与え、925億-1075億ドルのコストが、かかっている。
不眠症は、睡眠障害国際分類第3版では、3つの主なカテゴリーに分けられる。
不眠症の診断の基準としては、入眠障害、睡眠の維持の障害、早朝覚醒がある。
不眠症の定義は、Table.1に記載あり。Choosing wisely campaignからは、アメリカ睡眠医療学会から、
慢性の不眠症に対しては、初期治療として、睡眠導入剤の使用は、避けることが、推奨されている。
また、認知行動療法を提供も推奨されている。また、アメリカ老年医学会は、不眠症、せん妄等に対しての初期治療として、
ベンゾジアゼピンや他の鎮静作用のある睡眠薬の使用をしないよう推奨している。
Figure1に、不眠症のマネジメントのプロトコルの記載がある。
◎英語題名: Management of Sickle Cell Disease: Recommendations from the2014 Expert Panel Report
◎翻訳題名:鎌状赤血球症のマネジメント:2014年のエキスパートパネルレポートからの推奨
◎リンクページ:http://www.aafp.org/afp/2015/1215/p1069.html
◎一言コメント: 家庭医は、鎌状赤血球症の家族の初期もしくは、唯一のヘルスケアのリソースとなることがある。
最近、出版されたガイドラインは、健康の維持、急性期のケア等の重要な推奨を与えている。
最も重要な診療活動のこの概略のハイライトは、コミュニティケアセッティングで、実行可能かつ実行すべきであることである。
鎌状赤血球症の子供は、生後から少なくとも5歳になるまでは、予防的にペニシリン投与をうけるべきである。
また、鎌状赤血球症の全ての人が、侵襲性の肺炎球菌感染症を予防するために、ワクチン接種を受けるべきである。
9か月以上の鎌状赤血球症の子供は、ハイドロキシウレア治療を勧めて、使用することをサポートすることに、強いエビデンスがある。</div>
なぜなら、ハイドロキシウレアは、限定的な副作用のみで、血管閉塞や急性の胸部症候群を減らすことができるからである。
◎英語題名:Evaluation of the Solitary Pulmonary Nodule
◎翻訳題名: 孤立肺結節の評価について
◎リンクページ:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26760594
◎一言コメント:孤立肺結節は、放射線医学的な画像でよく認められる所見である。
度々、偶然、発見され、確定診断に向けてのワークアップが必要となるかもしれない。
孤立性肺結節は、境界明瞭な円形の3cmまでの領域で、空気に満ちた肺によって囲まれている。
結節が、一旦見つかると、診断的かつ放射線医学的な特徴と量的なモデルが、悪性の可能性を決めるのに用いられる。
評価は、結節の大きさと悪性の確立のアセスメントによって、導かれる
外科的切除や非外科的な生検は、連続的な画像評価ではっきりと増大を示している充実性もしくは、
一部が充実性の孤立性肺結節を認める患者に行われるべきである。
少なくとも2年は安定している充実性の孤立肺結節は、典型的には 、更なる評価は、必要ではない。
充実性の孤立肺結節のマネジメントが、直径に応じて、Figure.2にまとめられている。
Departments
KEEPING UP TO DATE
U.S. Preventive Services Task Force
◎英語題名: Screening for Iron Deficiency Anemia in Young Children:
Recommendation Statement
◎翻訳題名:幼児における鉄欠乏性貧血のスクリーニングの推奨ステートメント
◎リンクページ: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26760600
◎一言コメント: USPTF(米国予防医学専門委員会)は、6から24か月の乳幼児に対して、現在のエビデンスでは、
鉄欠乏性貧血のスクリーニングは、有益と有害のバランスを評価不十分であると結論付けた。
1歳から5歳までの乳幼児における鉄欠乏性貧血は、米国で、約1-2%である。
鉄欠乏性貧血に対して、ヘモグロビンの測定が、感度は高いが、特異度が低く、乳幼児期の貧血の大多数は、鉄欠乏性貧血によるものではなかった。
Practice Guidelines
◎英語題名: ACP Releases Best Practice Advice on Screening for Cervical Cancer
◎翻訳題名:子宮頸癌のスクリーニングにおいてのACP(米国内科学会)のベストプラクティス発表について
◎リンクページ: http://www.aafp.org/afp/2015/1215/p1107.html
◎一言コメント: キーポイント)HPVテストなしでの細胞診は、21歳から開始し、3年毎に施行されるべきである。
HPVテストを伴う細胞診は、30歳から開始し、5年毎にされるべきである。
スクリーニングは、3回の連続した細胞診で陰性であった場合や
過去5年間で最も直近に施行されたテストで2回連続したHPVテストと細胞診が陰性の場合は、65歳で終了すべきである。
STEPS
◎英語題名: Timothy Grass Pollen Allergen Extract (Grastek) for Allergic Rhinitis
◎翻訳題名:アレルギー性鼻炎に対して、チモシー(イネ科の牧草)花粉のアレルゲン抽出液(グラステック)治療について
◎リンクページ: http://www.aafp.org/afp/2015/1215/p1096.html
◎一言コメント: チモシー花粉のアレルゲン抽出液治療(グラステック)は、舌下免疫による治療法である。
5歳から65歳までの結膜炎を伴ったり、伴わなかったりする患者のチモシーによるアレルギー性鼻炎の治療に用いられる。
グラステックは、アレルギー性鼻炎に対して少し改善をもたらす。
注射による脱感作療法をしたくない患者に、アレルギー症状を改善する治療のオプションとなるかもしれない。
確立しているアレルギー治療や皮下注射による脱感作療法と比較は、されていない。
<海外家庭医療・総合医療雑誌 表題翻訳プロジェクト>
参加者17人 H27.7.4現在
飯島(群馬家庭医療学センター)、内堀(名張市立病院)、北本(亀田ファミリークリニック館山)、 今藤(根津診療所)
佐々木隆徳(みちのく総合診療医学センター)、佐々木隆史(こうせい駅前診療所)、武田(喜多方市地域・家庭医療センター)
玉井(台東区立台東病院)、成島(津ファミリークリニック)、廣瀬(国保和良診療所)、本郷(みちのく総合診療医学センター)
松口(原三信病院)、吉田(飯塚穎田家庭医療プログラム)、吉本(筑波大学)、渡邉(福知山市民病院)、
加藤(三重大学)、黒木(みちのく総合診療医学センター)
以上
0 件のコメント:
コメントを投稿