*本会の会員は会則により以下のようになっております。
『この会の会員は次の①、②をともに満たすものとする
① 卒業後 3 年目以上、10 年目以内の医師、もしくは家庭医療後期研修プログラム開始後8 年以内の医師であること。
② 日本プライマリ・ケア連合学会員であること。』

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2016年3月14日月曜日

表題翻訳プロジェクト 雑誌名:American family physician 2015年10月15日号 (翻訳者 加藤大祐)

海外家庭医療雑誌/ 表題翻訳プロジェクト副代表&投稿担当の内堀 善有(生長会阪南市民病院救急科)と申します。
マルチポストにて失礼します。
尚、本内容は、プライマリケアに関わる筆者の個人的な見解が 含まれており、詳細に関しては原著に当たることを推奨いたします。

雑誌名:American family physician 2015年10月15日号 (翻訳者 加藤大祐)

Articles◎英語題名: Prostate Cancer Screening
◎翻訳題名:前立腺癌スクリーニング
◎リンクページ:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26554408
◎一言コメント:前立腺癌はアメリカ人男性において、もっともよく診断される癌であり(16.7%)、癌に関連した死亡としては2番目に多い。PSA(前立腺特異抗原)検査は感度・特異度が低く、前立腺生検についての閾値の明確なエビデンスはない。スクリーニング検査で判明した前立腺癌の半数は無症状で残りの人生を経過し、経過観察を選択した場合、80-85%は15年以内に前立腺癌で死ぬことはない。PSA検査によるスクリーニングをルーチンで推奨しているガイドラインはなく、一般的には70才の時点で中止するべきだろう。前立腺癌と診断される患者の60%は65才以上であり、死亡の70%は75才以上である。直腸診に関する研究は限定的でエビデンスに乏しい。

◎英語題名:Corticosteroid Injections for Common Musculoskeletal Conditions
◎翻訳題名:よくある筋骨格系疾患へのステロイド注射
◎リンクページ:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26554409
◎一言コメント: 筋骨格系疾患の多くは保存的治療が奏効する。ステロイド注射は、一般的に短期的な改善には寄与するものの、長期的改善を示すエビデンスには乏しい。

◎英語題名: Diagnosis and Treatment of Gastroesophageal Reflux in Infants
and Children
◎翻訳題名:乳幼児の胃食道逆流の診断と治療
◎リンクページ:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26554410
◎一言コメント:乳児の胃食道逆流は生理的である。青少年では頻度は下がる。胃食道逆流/胃食道逆流症の診断は病歴と身体診察に基づく。内視鏡検査やバリウム検査等の精査は、症状が非典型的な場合、危険な徴候がある場合、他の疾患が疑われる場合、合併症が疑われる場合、治療不応例等に行われる。小児では大半が生後12ヶ月までに改善し治療不要である。体位変換や少量ずつ食事を摂ること等が有効であるが、母乳で育てている場合は、母親が牛乳や卵の摂取をやめることもよい。青少年の患者に対しては、生活様式を変えること(睡眠時の姿勢を変える、減量、禁煙、禁酒、遅い時間に食事を摂らない)もよい。H2ブロッカーやプロトンポンプインヒビターは有効であるが、エビデンスは十分とはいえない。

KEEPING UP TO DATEPractice Guidelines
◎英語題名:ACIP Releases Recommendations for Influenza Vaccination, 2015-2016
◎翻訳題名::ACIPによるインフルエンザワクチンの勧告:2015-2016
◎リンクページ:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26554415
◎一言コメント:2010年から2011年のインフルエンザ流行期に、3価または4価のインフルエンザワクチンを少なくとも2回接種された生後6ヶ月から8才までの児は、今シーズンは1回の摂取でよい。また、上記児において、もはや弱毒生ワクチンは、不活化ワクチンよりも推奨されることはない。接種時期はその地域でインフルエンザが流行する前、可能であれば10月までに接種することが望ましい。卵アレルギーの既往があり、卵を摂取後、蕁麻疹が出たことがある場合、不活化ワクチンまたは3価の組替えワクチンを接種するべきである。皮下注用の「Fluzone」以外は筋注が望ましい。

STEPS◎英語題名:Levomilnacipran (Fetzima) for Major Depressive Disorder
◎翻訳題名:大うつ病の治療薬としてのレボミルナシプラン(Fetzima)
◎リンクページ:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26554414
◎一言コメント:SNRIの1つであるレボミルナシプランについて述べる。1日1回内服で、長期投与の安全性は確立されていないが重篤な副作用はほとんどなく、短期投与の副作用は他のSNRIと同様である。軽度から中等度の大うつ病に対する有効性を調べた研究はないため使用するべきではない。中等度から重度のそれに対しては27.8%の患者が寛解に至り、44.8%の患者が治療に反応した。有効性について他の抗うつ薬と比較した研究や、再発率についての研究はない。1ヶ月にかかる費用が約286ドルであるのに対し、venlafaxine(37.5mg/日)は約15ドル、duloxetine(30mg/日)は約40ドルである。

【参加メンバー】
飯島研史:群馬家庭医療学センター
内堀善有:阪南市民病院 救急科
北本晋一:亀田ファミリークリニック館山
佐々木隆徳:みちのく総合診療医学センター
佐々木隆史:京都家庭医療学センター 医療生協 こうせい駅前診療所
成島仁人:(特定医療法人暲純会)津ファミリークリニック
廣瀬英生:郡上市地域医療センター 国保和良診療所
本郷舞依:みちのく総合診療医学センター
松口崇央:飯塚病院 消化器内科
渡邉力也:福知山市民病院
加藤大祐:名古屋大学医学部附属病院総合診療科
黒木仁史:みちのく総合診療医学センター
寺澤佳洋:豊田地域医療センター
大浦誠:南砺市民病院 総合診療科
小林直子:南砺市民病院 総合診療科
吉本尚:筑波大学医学医療系 地域医療教育学/附属病院 総合診療科
武田 仁: 喜多方市 地域・家庭医療センター
玉井杏奈:台東区立台東病院総合診療科
吉田伸:飯塚穎田家庭医療プログラム


今藤誠俊:医療福祉生協連 家庭医療学レジデンシー・東京 根津診療所

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