ジェネラリスト80大学行脚プロジェクトスタッフの杉谷です。 11月22日(日)に自治医科大学で開催された勉強会の報告を頂きましたので紹介します!! 報告書を作ってくださった村山先生、有難うございました! *********************************************************************** 医学生の疑問を解決しよう 【日時】2015年11月22日(日) 14時~17時 【場所】自治医科大学医学部学生寮和室 【講師】 村山 愛 君津中央病院大佐和分院 平野 貴大 国民健康保険大間病院 深瀬 龍 最上町立最上病院 【参加人数】12名(医学生12名) 【主催】Jichi Familymates 【共催】日本プライマリ・ケア連合学会 若手医師部会 ジェネラリスト80大学行脚プロジェクト 【後援・協賛】地域でつながる学びの環 自治医大卒業生振り返りプロジェクト 【WS内容】 14:00~14:10 アイスブレーキング テーマごとに疑問を打ち明ける 14:10~15:30 レクチャー ・地域実習・自治医大について ・死生観 ・キャリア・生活・楽な生き方の模索 (3つのブースに分け各20分で3つのブースを移動) 15:30~15:45 小括 各ブースで出た話をまとめる 15:45~16:00 休憩 レクチャーを受け改めて疑問や質問を挙げる 16:00~17:00 総括 これまでに挙がった疑問や質問に対して回答 勉強会の詳細を決定するにあたり、学生によるコアスタッフ3名と講師1名で事前ミーティングを行った。事前ミーティングでは、対話により学生側のニーズを引き出すことで、目標・内容を決定した。 コアスタッフは医学科2年生で構成されており、臨床実習を経験しておらず授業や実習が他人事に感じるという違和感を抱いていた。一方で、自治医大生は卒後、出身県で義務年限(9年間地域医療に従事すること)を課せられているため、低学年のころから医療者としての自覚を持つことを期待されておりそこにギャップが生じていた。 学生はギャップを解消するために多くの疑問を持っているが、誰に聞いたらいいかも、聞いていいものかもわからない。また、学生同士でもそのような話題はしづらく、安全な場でのアウトプットが求められていた。そこで、日頃疑問に思っているが聞きづらい、聞く機会がない質問を「ぶっちゃけて」話せる場作りをし、講師と距離を縮め対話を行うことで、ギャップの解消を図ることを目標とした。 勉強会の多くはインプットが多くなりがちだが、開催時間3時間中2時間をアウトプットに使い、インプットとして用意したレクチャーの時間もなるべく双方向性を意識してアウトプットを重視したデザインとした。 当日は、初めに以下のテーマごとの疑問を付箋に書いてもらい模造紙に貼ってもらった。 (疑問のテーマ:恋愛・結婚、地域医療、義務年限、 県人会、プライベート、田舎・都会、お金、学生生活、人間関係、実習・地域BSL、専門医・総合医、その他) その後、講師側からレクチャーを行った。テーマは、学生時代に悩むことが多いと講師が予想した、「地域実習・自治医大について」、「死生観」、「キャリア」の3つとした。相方向性な場作りのために3つのブースに分け少人数になるよう工夫した。以下に各ブースでの小括を示す。 [地域実習・自治医大について] 自治医大生は「地域医療は素晴らしい」という授業を受けることが多いがなかなか学生には伝わりづらい。実践を体験していない学生と卒業生の間に乖離がある。実習をうまく活かすための振り返りや今回のような場で言語化すること、他の学生と対話することは重要である。 今後総合診療医や地域枠卒業生が増えていく中、自治医大生は他大卒の医師とどう連携していったらいいのか、 「地域医療」のことを他の人と話そうとしても、コミュニティの意味なのか、田舎という意味なのかで議論の内容が変わってくる、といった感想が得られた。 [死生観] 講師が学生のときに体験した看取りと医師3年目になって体験した看取りを紹介し、「患者が亡くなったとき医師が涙を流すこと」に対して講師の経験と考え方の変化を共有した。 学生たちはまだ、目の前で人を亡くした経験は乏しいが、看取りの場にいる家族の気持ちを想像し、考え、自分の言葉を紡いでいた。現在の価値観・死生観を確認することができた。 [キャリア] どう専門医を選んでいったらいいかを悩みがちであるが、そもそも初めは「専門医」と決めつけずやりたいところから決めていったらいいのではないか、という主旨の話をした。低学年にとっては、それが当たり前ではという感想だったが、病院実習を経験する4年生以降から専門医を志向しはじめ、悩みが出てくるようだった。全員がやりたいことを明確にしているとは限らず、少人数とはいっても対話が難しかった。 レクチャー後、休憩をとりつつ、新たに出た疑問を先ほどのように模造紙にあげてもらった。 最後に全員で車座になり、出た疑問に講師側が答える形式をとりつつみなでデイスカッションをした。 学生からは、全体の雰囲気は良く学生も発言しやすい環境であった、初めは何を講師に聞いたらいいかわからなかったが勉強会が終わったときにはもっと聞きたくなった、もっと学びたいと思えるようになった、自分の意見を口にするという体験は参加者にとってあまりなかったので貴重な機会となった、などの感想が得られた。 雰囲気作りは、講師陣が卒後3、4年目で医師の中でも近い存在だったのと、講師側による少人数、双方向性を意識するという工夫が効果的であったと考えた。 今回のような勉強会は知識のインプットは少ない。しかし、アウトプットを多くすることで講師の経験を学習者時試飲のこととして考えることができ、テーマに対しての積極性が増したと考えられる。それでも講師がリードしがちになってしまう面は特に最後の質疑応答の1時間でみられた。学習者のアウトプットを更に意識した工夫が今後必要であると考えられる。
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